【経営編第1回】ペットホテル開業ブログ「成功を”確信”してから開業しよう」

こんにちは。デルタの佐々木です。

デルタではペットホテルなどペット業開業のお手伝いをしています。

このブログではペットホテルを中心とした開業のためのノウハウを書いています。

経営の1回目は経営を勉強することの重要性についてです。

 

皆様、日本では毎日どのくらいの会社が設立されているか知っていますか?

答えは約400件。年間ではありません。毎日これだけの会社が設立されているのです。

これらの会社を作った人の中に、失敗することを見越して開業する人はいないでしょうが、同時に毎日多くの法人が倒産しています。

開業して1年以内に店を閉めてしまう人が5%,5年だと約20%の人が閉業してしてしまうというデータもあります。

会社自体は続いていても、赤字の状態で役員がお金を持ち出したり、借入金がかさんで大変な会社も少なくなりません。

会社が上手くいかない理由は色々ありますが、私は経営者が経営について勉強していないからだと考えています。

 

目次

  • その開業バクチになっていない?
  • 開業は成功しなければならない
  • 成功ってなに?
  • 経営について学べば失敗しなくなる?

 

その開業バクチになっていない?

このブログを読んでいる、あなたは開業を考えていると思います。

どれくらい具体的かは置いて置いて、きっと頭の中には成功のイメージがあるでしょう。

 

それはどれくらい具体的ですか?

 

私のお店に開業研修に来た人も「勝算はあるのか?」という質問に対して、初めはこう答えます。

「近所で散歩仲間に会うと、”みんな”良いペットホテルがないと嘆いている」

「私の家の近くにはペットサロンが少ないから成功すると思う」

「私がやっているお店ではこれまでにないサービスを実施するので需要が見込めると思う」

まず、こういった「身近な人が困っているから開業する」というモチベーションはとても良いことだと思います。

ただし、これが実現するかは別の問題です。

ちょっと突っ込んで聞くとあいまいな部分が出てきます。

・”みんな”って何人?→たいていは10人にも満たない

 自分の都合の良い情報を大きく見てしまうのは人間の性(バイアスがかかっている)。お世辞と本音を見分けられているか?ペットホテルを開業しようとしている人に対しての「開業したら絶対預けるね!」は社交辞令。そもそも10人程度ではお店は成り立たない?100人に聞いて10人なのか?50人に聞いて10人なのか?

・なんでその地域にお店が少ないのか→わからない

 お店がない=ビジネスチャンスと考えてしまう人が多いですが、そもそもお店がない理由がある可能性を考える。その地域にには同様のサービスがあったのに閉店したのかもしれません。需要がない、法的な問題がある、少し離れたところに強い競合があるなどなど。行政へのヒアリング、商圏を広げて調査する、などは採点源実施する。

・新規サービスはこれまでなぜなかったか→誰も思いついていないから

 相当突飛なサービスでなければたいていは誰かが思いついている。犬に優しいサービス、広いドッグランがある、ずっとスタッフが付いている、こういったホテルは関東では少ないです。でも地方だと結構あります。そうするとなぜ関東でそういったサービスがないのか?を考えなければなりません。

 

こういったことを考えていない開業は、残念ながらバクチと変わりありません。

厳しいことを言えば、妄想とも言えるでしょう。

妄想と計画の違いは、その成功にどれだけ根拠があるかです。

ある地域には、犬がこれぐらいいて、飼い主の所得帯はこれくらい、競合が〇店あって、それらから自分のサービスでは顧客を〇%奪えるから、売上は〇円くらいになる。利益が〇円で、オペレーションは、、、、

個人で始めるにしてもこれくらいのことは計画すべきだと私は考えています。

 

開業は成功”しなければ”ならない

なぜ私がここまで開業する人に成功を強く強調するのか?

私の仕事は開業支援なので、開業後にその会社が成功するかどうかはあまり関係がありません(実績として成功店が増えることは好ましくはありますが)。

それはペット業界の低賃金が経営者たちの経営力のなさに原因があると考えているからです。

ペット業界は未成熟で、低賃金、長時間労働、労働基準法が守られてない、キャリアパスが描けない、などなどたくさんの問題があり、それが働き手や最終的には、ペットおよびその飼い主たちの不利益になっているのが実情です(詳しくは、【トリマーの賃金が低い理由 上げ方は?】参照)

なので、未熟な経営者がペット業界に入り失敗してしまうことは、ペット業界を正常なものにしたいと考えている私にとっては、避けたいことなのです。

少なくともうちで開業した人は、全員が成功して、これからペット業界に入りたい人が、あこがれを持てるような存在になって欲しいと考えています。

 

成功ってなに?

補足的な内容ですが、これまで繰り返し開業が成功しなければならないと言っていましたが、成功の定義が人によって違うことは理解しております。

例えば、お店を借り、人を雇い、たくさんのお客さんを呼び込んでお店の経営をする人と、自宅で数頭のワンちゃんをお預かりする、会社も引退して年金ももらっているので、売上はお小遣い程度で大丈夫、という人では”成功”の定義が違います。

あなたも開業する前に自分の成功を定義することが大事です。

成功(目標)を定義しないと、計画もできないですからね。

デルタの開業研修は、その人に合わせて内容を変えています。

お店を持つような人には、競合調査やマーケティング、人材管理などまでしっかり教えますが、自宅開業の場合は、もうすこし内容をライトにしたりしています。

 

経営について学べば失敗しなくなる?

なります。これは間違いありません。

たくさんの会社が経営者の変更によって息を吹き返しています。

JAL,Apple,マクドナルドなど、一時的に経営が傾いた会社が、経営者の変更により息を吹き返した事例は多数にあります。

これらの会社は、サービスが大きく変わったり、人が入れ替わったりしたわけではありません(多少はもちろんありますが、事業内容や形態は変わっていない、という意味で)。

経営とは、会社やお店が保有する資産(お金、人材、機材、ブランド)をどう配分するかが主な仕事であり、これを市場の需要に対して適切にできるかどうかが重要ということです。

優秀な経営者は、企業の課題を見極め、市場の需要を読み、それを実務レベルに落として解決策を実施します。

開業前は、基本的にお金しかない状態だと思います(例外、M&Aや事業譲渡を受ける場合)ので、この資産配分を自由にできる状態です。

経営の知識があれば、上記のような大企業の経営者ほどは無理にしても、成功の確率を高めることはできます。

このブログでは、この経営知識について、ペットホテルをメインとして具体的に記載してきます。


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