2021/12/30
こんにちは。川崎市幸区南加瀬の犬の学校デルタの佐々木です。
デルタでは開業当初から「犬のことを考えたトレーニング」を実践しています。
これはデルタでお世話になっている有動トレーナーの方針です。
私は、トレーニングについて勉強し、いろいろなトレーナーさんの話を聞くたびに、有動トレーナーの手法が”特別”だと認識するようになりました。
一見すると当たり前と感じるかもしれませんし、事実私もある程度勉強するまではその”特別さ”に気づくことはできませんでした。
有動トレーナーのドッグトレーニングの特徴を説明します。
いろいろなトレーナーさんがいるのは当たり前
まず前提として、トレーナーさんにはいろいろな方がいます。
・とにかく叱って厳しくしつける
・罰を使わず優しく褒めてトレーニングする
・おやつを使わず、褒める
などなど、、、
細かいことをいえばそれこそ十人十色です。
こういった状況で、飼い主様は、どれが正しいのかわからない、、、、とおっしゃる方がいます。
でもいろいろなトレーナーさんがいるということは、実は当たり前のことです、ドッグトレーニングに限らず、人の教育、医療、ビジネスなどでも、みんな同じ方法で行っているわけではありませんよね?
彼らの、倫理観・環境・文化・主張などで選択すべき手法が異なるのは当たり前です。
そもそもドッグトレーニングに正解というものはないのです。
いろいろなトレーナーさんを見て、そのメリットデメリット、考え方を理解し、自分にあったトレーニングを選びましょう。
それでも最低限の知識は持ちましょう
とはいえ残念なことにどの業界にも、科学的に”間違った手法”を取る人が一定数います。
前述した、科学的にどちらとも決めかねないとうケースとは別に、トレーナーの知識や技術が不足していたり、いわゆる詐欺の一種である場合などがこれにあたります。
こういった人を事前に見分けるのは難しい場合も多く、出会った場合は、運が悪かったといわざる負えませんが、一方で自分である程度調査や勉強をしていれば防げることも間違いありません。
例えば、人の病気の治療でも、大学病院やかかりつけ医の先生が科学的に正しい治療法を提案しても、それを無視して「水を飲むだけでがんが治る」「この石を持っていればどんな病気でも治ります」という非科学の治療法を選択する人が少なからずいます。
こういった人は気の毒だと思う反面、もう少し勉強しなよ、、、思いますよね。
トレーニングについても同じです。
トレーニングも研究や、アニマルウェアなどの倫理観の変化から、正しいと思われれていた手法が間違っていたり、主流の方法はどんどん変わっています。
トレーナーさんの中には、一度資格を取ったら勉強を全くしなくなるトレーナーさんもいるため、平気で数十年前に否定された手法を使っている人もいます。
例えば、「人は犬のリーダーにならなければならない」というトレーニング方法は、そのトレーニング方法のもととなった研究をした科学者が、あの研究は間違いだったと公に認めています。他にも罰や苦痛を使用するトレーニングは、人と犬との関係性の変化やアニマルウェルフェアの観点から、いまでは使わないことが動物愛護意識の高い国のスタンダードです。
こういったトレーニングを実施している人は、あまり勉強をしていない可能性があるので注意しましょう。
また、こういった”トレーナーさんを見る目”を養うことも飼い主には必要だと思います。
最終的に不利益をこうむるのは、あなたと、あなたの愛犬です。
最近流行りの「犬に優しいトレーニング」とは
人の育児や教育でも体罰は違法になっていき、褒めて伸ばしましょう、という教育が主流になってきています。
犬においても最近の「ペットは家族」の観点から、人と同様の手法を取るトレーナーが増えてきました。
これはとても良いことで、以前はとにかく、叱る、殴る、吊る、びっくりさせるなどのトレーニングが主流だったのが、ペットに苦痛や負担のない手法に移行してきたということなので、喜ばしいことだと考えています。
デルタでももちろん罰や苦痛を使う方法は一切使用していません。
有動トレーナーももちろん罰や苦痛を使う方法は取っていないので、「犬に優しいトレーニング」と言えますが、その中でもある特別な倫理感を持ってドッグトレーニングをしています。
それが「犬のことを考えたトレーニング」です。
ドッグトレーニングは誰のため?
さてちょっと話が逸れますが、ドッグトレーニングとは誰のためにするでしょうか?
多くの方は自分のために行います。
・噛まれて痛いからどうにかしたい
・吠えて近所迷惑だから吠えなくさせたい
・家具などをいたずらをするからやめさせたい
など
もちろん、ワンちゃんが人の社会で生活するにあたり、上記のような問題ごとは解決しなければなりません。
ただ、私たちは預かった子、自分の子にこういった問題がある場合は、その子のために、問題を解決したいと考えています。
「犬のことを考えたトレーニング」=「なぜ彼らはその行動をとるのか考える」
私は、この業界に入って、少なくないトレーナーさんと話す機会がありましたが、たいていのトレーナーさんは、問題行動の対処はできるのですが、「どうしてそういった行動を彼らはとるのですかね?」と質問すると、うーんと考え込んでしまいます。
彼らは、問題に対する対処法は勉強しているのですが、「犬の気持ち」を考えることはありません。
ですが有動トレーナーはまずそこを考えます。
飼い主様から困っている問題行動のカウンセリングをしたら、たいていこう始まります。
「彼らの問題行動は把握しました、私はおそらく〇〇ちゃんは、こういった理由からこの行動をとっていると考えます、、、」
と言い、トレーニングに入っていくこと、これが有動トレーナーの特徴です。
そしてトレーニングは、「彼らが充足した生活を送ってもらうことで、問題を解決しよう」という手法が選ばれます。
正直に言うと、この手法というのは、飼い主様が大変な場合が多いです。
ある程度時間もかかりますし、人の方が生活様式を変える提案も多々あります。
なので、犬のためにそこまで苦労を掛けられない、彼らの問題なのだから、彼らをトレーニングするべきではないか、との考えを持っている方は解決までの時間を耐えられない場合もあります。
それでも私たちがこの手法を選択するのには、ある倫理観があります。
私たちの持つ倫理観「人は犬に幸せな人生を送らせる義務がある」
私たちは「人は犬に幸せな人生を送らせる義務がる」と考えています。
犬というのは、人間の都合で生み出され、人間の都合で各ご家庭の連れていかれます。
そこに彼らの意思はありません。「この人は嫌だから売られるのを拒否します」とは言えないのです。
だからこそ私たちは、彼らを幸せにしなければならないと考えます。
犬たちは人間でいえば2,3歳の知能しか持たず、大人になったからと言って、一人でご飯を用意したり、うんちをトイレに流すことはできません。
もちろん、人にとっても問題を理解するすべもありません。
家に来てからお亡くなりになるまで、ずっと人が守らなければならないのです。
人社会で暮らすので、人のルールを守ってもらう必要はありますが、それは決して彼らのためではなく、人間のためであると考えます。
勝手に連れてきて、こちらの都合で人間のルールに無理やり従わせるというのは、倫理的だとは思えません。
「私はあなたと一緒に生活がしたくて来てもらいました、でも噛んだり、吠えたりは困るので、人のルールを覚えてくれませんか?覚えてくれたらもっと良いことがあります」こういったスタンスで彼らと接しているため、彼らが苦痛になることは一切行いませんし、人にとっての問題行動がある場合は、彼らの気持ちを考え、犬に負担のかからない方法で、人のルールを覚えてもらう努力をしています。